コラム
2025/11/12 17:58
静かな情熱から生まれる、やさしい毛布。
今日は、毛布をつくる職人たちの静かな情熱と丁寧な手仕事を紹介させてください。
約50年前。
大量生産とコストダウンを目的に、化学繊維の毛布が急速に普及しました。手間や品質よりも価格が重視され、いまや国産の毛布は全体のわずか20%ほどしか残っていません。
そんな時代の流れに逆らうように、私たちの毛布は、通常の約3倍も細い綿糸を使い、3倍の時間をかけて一枚ずつ丁寧に縫い上げます。さらに、熟練の「起毛師」による繊細な仕上げによって、思わず触れたくなる“とろっ”としたやさしい肌ざわりが生まれます。
気持ちのよい触れごこち。吸湿・放湿性に優れ、天然繊維の中でも特に静電気が起きにくい綿。お肌がほっとする、やさしさの理由がここにあります。
一方で、海外から流入した安価な化学繊維毛布により、日本の織毛布産業はかつて大きな打撃を受けました。需要の減少や後継者不足により廃業が相次ぐなか、それでもなお——製糸、機織、染色、縫製。それぞれの工程に誇りを持ち、使う人の笑顔を思い浮かべながらものづくりを続ける職人たちがいます。
最大の休息である「眠り」。その大切な時間を心地よく包むために、人はきっと無意識のうちに、やさしい肌ざわりの毛布を選んでいるのではないでしょうか。その理由は、織り込まれた糸の中に、職人たちの温かい思いが息づいているからかもしれません。
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